くそはきだめ

おじさんです。うんこです

『BEATLESS』読みました

こんにちは。おじさんです


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タイトルの通り、小説『BEATLESS』を読み終えたので、ちょっと感想でも書こうと思います

少しネタバレを含みますのでご注意ください

 

 

 

 

 

BEATLESS

アニメ化もされたので、名前は知っている、という方も多いかもしれません。ざっくり言ってしまえば、主人公アラトとhIE(この作品における人間型ロボット)レイシアによる近未来SFボーイミーツガール、みたいな感じのストーリーです

 

主人公アラトは、他者に、そして自分自身にも幾度となく「チョロい」と称されるほどのお人よし。友人のリョウに幾度も「危険だ」と忠告されても、ヒロインであるレイシアを信じ続け、そして世界を巻き込む大騒動に巻き込まれることとなります。彼とレイシアの行動は世界を揺るがしかねないものになっていく。そんな中でも、彼の動く理由は「誰かのため」、「レイシアのため」です

こんな、傍から見れば馬鹿じゃないか、とすら思える彼だからこそ。レイシアが超常的な力を見せてもなお、信じ続け彼女の為に動くことができた彼だからこそ、この物語は成立した。この作品は、SFであると同時にボーイミーツガールなんだ、ということを、特別な力など持たない少年であるアラトの存在が、私たち読者に強く認識させるのです

ヒロインのレイシアは、超常的な力を振るう美しい謎多きhIE。物語が進むにつれて、彼女の「怖さ」のようなものが浮き彫りになっていきます。前述したように、友人に「危険だ」と何度も忠告されるのですが、読者に、そしてアラトにも、徐々にその言葉の意味が分かっていく。そんな作りになっています

そしてそんな中でも、彼女の危険性を知った上でもなお「信じ続ける」アラトの存在が、彼女をも成長させていくこととなります

私は、この2人のボーイミーツガールとしてだけでも、この作品は素晴らしいものだと思いました

 

SF、という観点からも少し触れると、「アナログハック」という設定が凄い、と思いました

アナログハックとは、簡単に言えば「人間は人間のかたちに反応してしまう、という性質を突いて、人の意識に働きかける(ハッキングする)」といった感じのものです。この行為は、hIEが行っています。この設定により、近未来においてロボットがヒトのかたちをしていることに、より説得力がある、と感じました

主人公アラトは幾度となく自分の意思で動いたのか、レイシアに「動かされたのか」と悩み、また友人のリョウからも「お前は誘導されている」と忠告を受けています

このアナログハックという設定により、この作品のヒロインであるレイシアはただ可愛い美少女ロボットではなく、アラトをいいように操っているのではないか、という不気味さを読者は感じることになります

 

さて、ここまで長々と書いてきましたが、私が伝えたいのは「この作品はとても素晴らしいものだった」。この一点に尽きます

主人公のチョロさと危うさ、ヒロインの怖さや危険性といったものが読者に突きつけられ、世界が変化を迎えようとする中、それでもヒロインを信じる主人公。そして主人公の存在によってヒロインもまた変わっていく。素晴らしいボーイミーツガールものであると感じました

正直私はSFには疎いため、ボーイミーツガール小説としての評価、という側面が大きいです。それでも、ロボットがヒトのかたちをしていることに大きな意味と説得力を与えたアナログハックという設定に惹かれましたし、SF好きにもお勧めできる、と思いました

 

BEATLESS』にはまだまだ魅力的なサブキャラクターなどもいるのですが、長くなってきたので感想記事はここで〆させていただきます。機会があればまた買うかもしれません

最後に。ボーイミーツガールものが好きな人、SFが好きな人にはとてもお勧めできる作品だと思っているので、興味を持った方はぜひ読んでほしいです

 

ここまで拙文にお付き合いいただきありがとうございました

それでは

 

おじさん