くそはきだめ

おじさんです。うんこです

『威力弱太郎』のススメ

こんにちは、おじさんです。今回は、とある小説についての記事となります


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その小説の名は『転生賢者の異世界ライフ』。『小説家になろう』で連載中で、書籍化やコミカライズもされています

 

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しかし、転生賢者が高評価を得ているかと言うと、残念ながらそうではありません。作中の名台詞「弱すぎって意味だよな?」ばかりが取り上げられ、未読の方も含め多くの方にネタにされているのが現状です

果てには「威力弱太郎」などと不名誉なあだ名を付けられる始末。ということで、今回は転生賢者の魅力を紹介していきましょう

 

1.主人公の態度

近年、いわゆる「なろう系」の作品では、主人公の態度から「イキリ○○太郎」などといったあだ名を付けられているケースが増加しています。「イキリ」と捉えられる要因は様々ですが、多くの場合、「タメ口」がその要因となっているように感じます

しかし、転生賢者の主人公・佐野ユージは一味違います

「ってことで、そろそろ試験に入るぞ。それとユージ、冒険者を目指すなら、敬語は使わない方がいい」

 

……敬語、ダメなのか。

 

「わかりま……分かった。これでいいか?」

 

「ああ。敬語を使う冒険者志望なんて、久しぶりに見たぜ」

 

どうやら冒険者は、敬語を使わないのが普通のようだ。

敵がモンスターならいいが、人間相手とかだと、命令系統がバレるのは弱点をさらすことにつながるからな。

外から見て上下関係が分かりにくいようにしておくのは、一種の自衛なのかもしれない。

 

(『転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~』 第7話より)

このように、目上の人には最初はちゃんと敬語を使い、相手が「敬語をやめた方がいい」と言って初めて、タメ口になっています。さらに地の文で「敬語をやめるべき理由」もきちんと解説。可能な限り敬語を使わない主人公へのストレスを軽減しようという作者の配慮が感じられますね

 

2.主人公の能力

「主人公がいきなりタメ口じゃないのは分かったけど、どうせチート魔法ぶっ放してイキるんでしょ?」とお思いの方もいるでしょう。しかし、佐野ユージが手にしたのはそう単純な能力ではありません。まずはこの作品のあらすじをご覧ください

 ブラック企業に酷使された男が転生したのは、ステータスやスキルのある世界。

 その世界で彼は、冒険者になることさえ難しい不遇職『テイマー』になってしまう。

 ――しかし彼は、ひょんなことから2つめの職業『賢者』を手に入れる。
 『賢者』の力は、圧倒的なものだった。

 だが異世界に来たばかりの彼は、自分の力がどれほどのものか自覚していなかった。
 こうして彼は、自分の力を自覚しないままギルドに行って冒険者となり、各地で騒ぎを起こしながらも成り上がっていく。

 

(『転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~』 目次より)

このようにして見ると、「またいつもの最弱詐欺なのか」と思えるかもしれません。事実、ユージは『火球』『終焉の業火』『永久凍土の呪詛』といった強力無比な魔法の数々を使うことができます。しかし、不遇職『テイマー』の能力も、ユージは有効活用しています

『ちょっと、偵察を頼めるか?』

 

宿の一室で、俺は合体して大きくなったスライム達(ステータスを見て分かったのだが、ビッグスライムという名前らしい)に、テレパシーを飛ばす。

 

『わかったー!』

 

『どっちいくー?』

 

『ぶんれつするー?』

 

どうやら、引き受けてくれるようだ。

(『転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~』 第6話より)

 

俺は、まずスライムを放り投げ、近くの塀の上に乗せた。

こうすれば、戦場を幅広く見渡すことができる。

 

俺はスライムのおかげで色々なところに攻撃できるので、一つの場所に集中するよりも、危なそうなところのフォローに回った方がいいと考えたのだ。

 

こうして『感覚共有』で戦況を見ながら魔法転送で援護する。

これが、最も効果的な援護の方法だろう。

 

(『転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~』 第35話より)

このように、『テイマー』としての能力でスライムを使っての偵察や戦況の把握を行っています。そしてこの偵察などの頻度は、魔法を敵に直接打つよりも余程多いです。タイトルの通り、ユージは第二の職業『賢者』を得て最強にはなりましたが、『テイマー』の能力あってこそのユージということです

 

3.スライムがかわいい

「とりあえず、そのご主人様っていう呼び方をやめないか?」

 

『ごしゅじんさま、だめー?』

 

「できれば、やめてほしい」

 

呼ばれ慣れていないので、なんか変な感じがする。

 

『じゃあ……おかしら!』

 

「お頭って……俺は盗賊かよ。別のにしてくれ」

 

『あるじー』

 

「却下だ。あー……普通に、名前で呼んでくれ。俺はユージだ」

 

『わかった。ゆーじー』

 

(『転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~』 第2話より)

これはユージと彼がテイムしたスライムとのやりとりです。スライム達がかわいいですね

さらにこのスライム達、ユージの代わりに本を読み、ユージにスキルを蓄積させる甲斐甲斐しい奴らです。とてもかわいいですね

 

というわけで今回は、『転生賢者の異世界ライフ』の魅力を紹介させていただきました

「弱すぎって意味だよな?」の広告でしか知らない、という方も、この機会にぜひ読んでみてください

 

最後に

一番好きななろう発の作品はこの素晴らしい世界に祝福を!です