下環境でも《むかしむかし》を使ってみよう
今朝、MTGの禁止改訂が発表され、スタンダードからは3枚の禁止カードが出ました。
今回禁止カードに指定されたのは《王冠泥棒、オーコ》《むかしむかし》《夏の帳》の3枚。《死者の原野》が禁止されて以降、メタゲームを支配していたフード系デッキの隆盛を支えていたカードたちです。
これらのカードが環境を歪めていたのは事実ですが、スタンダードプレイヤーの中には、「せっかく高い金を出して買ったのに!」とお思いの方もいることでしょう。
しかし、MTGの楽しみ方はスタンダードだけではありません。モダンやレガシー、そして新顔であるパイオニア…。いわゆる「下環境」では、今回禁止された3枚のカードを使用することが出来ます。夏の帳はパイオニア禁止だけど
というわけで今回は、今回禁止された3枚のカードの中から《むかしむかし》を取り上げ、このカードを使った下環境のデッキを紹介しようと思います。
まずは、《むかしむかし》がどのようなカードなのかを再確認するため、テキストを確認してみましょう。
この呪文があなたがこのゲームで唱えた最初の呪文であるなら、あなたはこれを、これのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
あなたのライブラリーの一番上からカードを5枚見る。あなたはその中からクリーチャーか土地であるカード1枚を公開してあなたの手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
《むかしむかし》の最大の特長は、なんといっても0コストで使用できる、という点にあるでしょう。条件こそありますが、0コストで重要な生き物を引き込めるのは大きな強みでしょう。
最初に使用する、という条件から、とりわけ「1コストの生き物を引き込むこと」が重要なデッキでの使用に適していると言えるでしょう。
以上の点を踏まえ、《むかしむかし》を活用するべく組んだデッキがこちらです。
見ただけではどんなデッキか分からない、という方も多いと思うので簡単に説明すると、このデッキは《飛翔の竜人》《レジェンダリーファイター》の2枚を揃えて、軽量スペルとアミュレットを連発して《飛翔の竜人》を進化させることで、「スペルプレイ」「アミュレットプレイ」「他のフォロワーの進化」を達成、10/10の2回攻撃持ちになった《レジェンダリーファイター》で20点叩き込むことを目的としています。
『森羅咆哮』で追加された《ナテラの大樹》関連スペル2種により、軽量スペル・アミュレットの連発は容易になった一方で、《飛翔の竜人》《レジェンダリーファイター》のどちらかでも欠けると勝ち筋が無いという問題点は改善されないままでした。
しかし、《むかしむかし》を採用することで、それら2種を安定して引き込むことが出来るようになり、安定してOTKを行えるようになりました。
「速さ」以外に何の強みも持たなかったジャンク寸前のデッキが安定感を手に入れた。これはとても大きな強化です。この安定は、《むかしむかし》無くしては得られなかったでしょう。
というわけで、《むかしむかし》採用OTKドラゴンを紹介させていただきました。このように、MTGではスタンダードで禁止になったカードにもまだまだ活躍の余地が残されています。スタンダードプレイヤーの皆さんも、この機会に下環境に触れてみてはいかがでしょうか?